歯周病ケアについて歯科医師からのアドバイス

歯ぐきの赤みや腫れ、出血など、歯周病のサインが現れていても、歯科医院での診察を受けるまで歯ぐきの異常に気がつかない方もいます。

歯周病(歯肉炎・歯槽膿漏の総称)の初期症状である歯肉炎は、痛みを伴わない場合も多いため、気づかれないこともしばしばあります。また、喫煙の影響によって歯肉炎の初期症状が隠れてしまうこともあるため、喫煙者は歯肉炎を見過ごしがちになります。

このため、定期的に歯科医院で検診を受けることが大切です。専門的な検査を受けることで、たとえ症状がはっきりと現れていなくても、歯周病の症状を特定できるため、悪化する前に対処することができます。

重度の歯周病は、多くの場合、プラーク細菌が歯の表面や周辺、また歯と歯の間に蓄積することにより引き起こされます。歯磨きできちんと細菌を取り除いておかないと、歯ぐきが炎症を起こし、赤く腫れ、出血を伴い、やがて後退してきます。そして、最終的には、歯ぐきが著しく損傷し、歯槽骨まで影響が及ぶことがあります。これが、歯周病の最終段階とされる重度の症状です。この段階になると、破壊された組織は修復不可能となり、歯を失う恐れがあります。

歯肉炎の進行を抑えるには

歯科医師によって歯肉炎と診断された場合、普段の対処法について専門的なアドバイスを受けて、悪化させないことが大切です。また、歯科医院で専門的な治療を施す場合もあります。

歯肉炎の効果的な対処法としては、適切なオーラルケア習慣でプラーク細菌を除去し、蓄積を防ぐことです。

ステップ1は、適切な方法で1日2~3回ハミガキをして、歯と歯ぐきをきちんと清掃することです。重度の歯周病リスクにさらされている方は、お口全体を磨くためのハブラシに加え、届きにくい部分を清掃するための専用ツール、例えば、歯間ブラシやワンタフトブラシ、フロスなどを使って、歯と歯の間などの磨きにくい部分の歯垢を取り除くことも効果的です。

ステップ2は、フッ素配合のハミガキで1日2~3回ハミガキをして、歯垢の蓄積を軽減します。

歯周病に困ったら、いつでも歯科医師に相談を

歯周病予防・対策の最も効果的な方法は、オーラルケアを習慣化して健康な歯ぐきを保つことです。それに加えて、歯科医師や歯科衛生士による定期検診を欠かさずに受けましょう。あなたが歯肉炎を発症しているか、また歯槽膿漏に進行しているかを診断できるのは歯科医師などの専門家だけです。どちらの症状も、歯と歯ぐきの損傷を最小限に抑えるためには歯科医師による処置が必要となります。